井上勝(野村弥吉) 日本の鉄道の父である長州五傑の1人


スポンサーリンク
スポンサーリンク

 井上勝(いのうえまさる)は、長州藩士・井上勝行の3男として1843年8月1日、萩にて生まれる。

 程なく野村家の養子となり野村弥吉と称した。

 16歳のとき、藩命で長崎にてオランダ人から兵学を生部と、翌年には江戸に赴き砲術・洋学を学んだ。
 その後、いったん帰藩するも、再び江戸での勉学を希望し、今度は横浜の外国人居住地で英語を勉強したと言い、外国への思いが強くなっていったようだ。

 1863年、周布政之助の許可が出て、長州藩は秘密裏にイギリス留学させる方針となると井上聞多(井上馨)、遠藤謹助山尾庸三伊藤俊輔(伊藤博文)、野村弥吉(井上勝)の5人(長州ファイブ)は横浜港から、英国ジャーディン・マセソン社所有のチェルスウィック号にて出港。
 藩から船将を任されたのはこの野村弥吉(井上勝)であった。

 英語を学ぶ傍ら、ロンドンではユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)に入学して、始めは語学、算術、理化学等を勉強し、のち鉱山技術や鉄道技術の実業を実習した。

 なお井上馨と伊藤博文は、1864年、イギリスにて下関戦争の報を受けると、先に帰国し幕府との和平交渉に尽力した。

 3年が経過し、留学資金が底をつくと、ウィリアムソン教授の手伝いをして生活費を稼ぎながら勉学を続けたと言う。

 しかし、日本では徳川慶喜の大政奉還を経て戊辰戦争となり、明治新政府が樹立されるに至った。

 そして、明治元年(1868年)に木戸孝允が「日本で技術を役立てよ」と再三に渡り帰国を要請。

 こうして山尾庸三と共に帰国して新政府に出仕すると、野村弥吉(井上勝)は鉱山兼鉄道頭、鉄道頭、工部大輔、鉄道局長、鉄道庁長官を歴任した。

 伊藤博文や大隈重信ら鉄道敷設推進派と1幹線3支線の構想を練り、イギリスからの融資と技術者を受けて鉄道敷設を開始することとなった。

スポンサーリンク


 明治2年11月、鉄道建設が決定されると、明治3年には東京~横浜間で測量を開始。
 明治4年、鉄道建設を担当する鉄道寮が設置されると、野村弥吉(井上勝)は鉱山頭兼鉄道頭に任命された。

 そして、明治5年9月12日、新橋駅~横浜駅(約29km)に、日本で初めての鉄道が開業した。

 最初の列車に乗車した天皇から「鉄道を全国に広げて欲しい」との言葉を賜ると、鉄道を全国に敷くため生涯を捧げる事となる。

 なお、新橋-横浜の開業翌年(1873年)には、乗客が1日平均4347人、年間の旅客収入42万円と貨物収入2万円、そこから経費の23万円を引くと21万円もの利益になっており、鉄道は儲かると言う認識ができ、のち私鉄が全国各地にできるきっかけにもなった。

 明治6年に辞職したが、明治7年に再任すると、鉄道寮を大阪に移して、関西での鉄道建設を指導。
 これにより、新橋-横浜と同時に工事を進めていた大阪-神戸間が、明治7年(1874年)5月11日に開通。その後、京都まで延伸され明治10年(1877年)に正式開通した。

 岩倉具視や高島嘉右衛門らの日本鉄道(私鉄)も、1884年には上野~高崎・前橋間を開通させるなどすると業績が好調だったため、鉄道建設は日本全国に広がった。

 明治18年、鉄道局長官に就任すると、伊藤博文首相を説いて、建設中の中山道幹線鉄道を東海道経由に変更させ、1889年(明治22年)には、新橋~神戸間の東海道線が開通。所要時間(片道)20時間で結ばれている。

 鉄道の国有化を念頭に推進してきた井上勝であったが、、渋沢栄一、田口卯吉、中上川彦次郎ら財界人は民営化を唱えた為、明治26年、鉄道庁長官を退官。
 そのあと、明治29年(1896年)に汽車製造合資会社(汽車製造株式会社)を大阪で設立。
 昭和47年(1972年)に川崎重工に吸収合併されるまでの約70年間、延べ7900両を超える機関車や客貨車などを製造した。

 日露戦争を終えた政府は、鉄道を軍事輸送に使うと言う方針を取り、結果的に1906年(明治39年)3月31日に鉄道国有法が公布され、日本鉄道などは国有化された。
 これらの功績により、明治39年(1906年)4月1日、勲一等旭日大綬章を受章。

 明治42年には帝国鉄道協会会長となり、鉄道の発展に尽力。

 明治43年(1910年)8月2日、鉄道院顧問としてロンドンに赴いていたが、その視察中に客死した。享年68。

 →開業当時の新橋駅に関する展示もある鉄道博物館はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でフォローしよう!

スポンサーリンク


関連記事

Loading Facebook Comments ...

メールでお知らせ

メールアドレスを記入して購読すれば、新規記事追加をメールで受信できます。

ページ上部へ戻る