最後の浮世絵師は誰!?明治時代の三大浮世絵師【押さえて損なし】

浮世絵



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浮世絵の再全盛期は江戸時代ですが、明治時代中ごろまでは多くの浮世絵師が活躍していました。
その中でも「最後の浮世絵師」と呼ばれる人たちが複数人存在します。

そこで今回は、明治時代の最後の浮世絵師と呼ばれている明治時代の三大浮世絵師を紹介します。

明治時代の三大浮世絵師

浮世絵のメッカ「太田記念美術館」で2019年に行われた展示会「ラスト・ウキヨエ」では、あまり取り上げられることのない明治時代の浮世絵師たち総勢37名の作品が取り上げられました。



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そんな浮世絵師たちの中には「最後の浮世絵師」と呼ばれた人たちが存在します。
「最後の浮世絵師」と聞くとひとりだけなのかと思いがちですが、「最後の浮世絵師」と称されている浮世絵師が複数人存在することも事実です。

さっそく、明治時代の最後の浮世絵師と称されている「三大浮世絵師」を紹介します。

月岡芳年

月岡芳年(つきおかよしとし)は、浮世絵が衰退しつつある明治時代において、最も画業を成功させ「最後の浮世絵師」と評価された人物です。

月岡芳年の師は、浮世絵界でもっとも名をはせた歌川国芳(うたがわくによし)。

歴史絵をはじめ、美人画や役者絵・風俗画・古典画・合戦絵といった幅広いジャンルの浮世絵を手掛けてきました。
特に、無残絵と呼ばれる芝居や殺しの現場などを生々しく描いた浮世絵師としても知られています。

小林清親

小林清親(こばやしきよちか)も明治時代に活躍した「最後の浮世絵師」と称されているだけでなく、「明治の歌川広重とも称された人物です。

幕末に勃発した鳥羽・伏見の戦いに下級武士として旧幕府軍に参戦した経歴を持っている小林清親は、主に東京の発展と住む人々の変化を、光と影を上手く使用した「光線画(こうせんが)」で表現したことから人気に火がつきました。

「暇なときは絵を描いていた」という証言が伝えられているほど絵に没頭していただけでなく、月岡芳年と並んで現代でも愛されている浮世絵師でもあります。

豊原国周

豊原国周(とよはらくにちか)は、幕末に起こった戊辰戦争(ぼしんせんそう)の際に不況になりかけた歌舞伎業界を役者絵によって盛り上げ、役者絵では明治期の代表的存在と称された浮世絵師です。

これまでに紹介した月岡芳年や小林清親と比べるとあまりなじみのない浮世絵師ですが、彼の弟子のひとりは、同じく明治時代に活躍した美人画を得意とした浮世絵師・楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)です。

彼もしばしば「最後の浮世絵師」と呼ばれているのは、戦争が多かった時代の転換期に役者絵で歌舞伎業界を盛り上げたという実績からきているのかもしれません。



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【小話】浮世絵はどうして明治時代に衰退したのか?

江戸から明治への時代の転換期ということもあり、日本各地で戦争があったことも原因のひとつですが、「文明開化」も浮世絵が衰退する原因でした。

文明開化によって多くの西洋文化が日本に流入していますが、写真が欧米諸国から持ち込まれたのが浮世絵衰退の大きな理由です。

江戸時代では商業広告やポスター・書籍の役割を担っていた浮世絵は、写真の再現度と写真の制作期間短縮に勝つことができませんでした。
次第に庶民たちの心は、すぐに再現度の高い情報を写し出す写真へと奪われていったのです。

まとめ

明治時代は、時代の転換期と西洋文化、特に写真の流入によって浮世絵界が大きく変化し、衰退を余儀なくされる激動の時代です。

今回紹介した「最後の浮世絵師」たちだけでなく、明治時代を駆け抜けた浮世絵師全員が写真の勢いに屈することなく、各々の作風を活かして明治時代のさまざまな部分で開花させ、明治時代の人たちの心を掴みました。

そんな彼らの作品は、残念ながら歴史の渦に埋もれてしまい、現代においてはあまり評価されていません。
しかし、激動の時代を駆け抜けた彼らの作品を見た私たちには、強く突き刺さっています。

本記事をきっかけに、「最後の浮世絵師」たちの作品だけでなく、明治時代の浮世絵にもぜひ関心を寄せてみてはいかがでしょうか。

(寄稿)あさひなペコ

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