伊東甲子太郎~新選組参謀になるも御陵衛士を結成し暗殺された逸材


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よく新撰組の裏切り者扱いをされる「新撰組参謀及び文学師範」の伊東甲子太郎(いとう-かしたろう)。
容姿端麗であったうえに話が上手く、相当な人望があったといわれています。
32歳の若さでこの世を去りますが、1918年従五位を贈与され、新しい日本を創る礎を築いた人物として1932年には靖国神社へ合祀されています。
今回は「尊王攘夷」の代表格となった伊東甲子太郎について触れていきます。

江戸の伊東道場

1835年に常陸志筑藩士の鈴木家の嫡男として生まれますが、まもなく父が亡くなり、不手際があったとされてお家は断絶し、領外追放の憂き目にあいました。
水戸に遊学すると、そこで勤王思想に傾倒していくだけでなく、神道無念流剣術を身に付け剣の腕前も上げていきました。
さらに江戸へ進み、北辰一刀流剣術を学び、道場師範である伊東誠一郎の婿養子に入り、道場主となります。
新撰組八番隊組長の藤堂平助は、このとき伊東道場の寄り弟子だったといわれています。

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新撰組に加入

1864年、29歳のときに藤堂平助の仲介もあって上洛しますが、この年が甲子であったことから「甲子太郎」と名乗るようになったそうです。
上洛した伊東甲子太郎に従った同志は、実弟で新撰組九番隊組長になる鈴木三樹三郎、新撰組の柔術師範となった篠原泰之進、新撰組隊士となった加納鷲雄、服部武雄ら盟友と、同じく新撰組隊士となった門人でもある内海二郎、新撰組四番隊伍長の中西昇らがいました。
伊東甲子太郎は新撰組の参謀及び文学師範を務めることとなります。
参謀はこれまで新撰組総長を務めていた山南敬助よりも格上の立場でしたから破格の待遇で近藤勇らが迎えたと言う事です。
伊東甲子太郎の思想は「攘夷」という点では近藤勇ら新撰組と結ばれていましたが、近藤勇の目的は新撰組を率いて「佐幕」として活躍する事で、江戸幕府の武士になる事であったのに対し、伊東甲子太郎は「勤王」という倒幕派と言う考えです。
その為、次第に互いの思想はぶつかり合いやがて決裂すると、新撰組は二つに分裂しました。

御陵衛士の結成

1867年、ついに伊東甲子太郎は新撰組を脱退します。
敵対勢力になったわけではなく、あくまでも薩摩藩動向探索が目的であり、孝明天皇の陵を守るという役目も仰せつかったので「御陵衛士」という名前で新組織を結成しています。
東山高台寺月真院を本拠にしたことから「高台寺党」とも称されています。
伊東甲子太郎と共に御陵衛士に移ったのは14名ですが、その中には組長・藤堂平助もいました。
三番隊組長の斎藤一も見受けられましたが、こちらは近藤勇が仕組んだ密偵であったともされています。
新撰組とは隊士の行き来を禁じるという約束を交わしており、それを知らなかった新撰組隊士十名が御陵衛士受け入れを拒否され、脱走として処理されました。
ちなみに五番隊組長の武田観柳斎も御陵衛士加盟を断られています。
伊東甲子太郎は御陵衛士の隊士たちに英語を教えていたともいわれています。

油小路事件

1867年12月、伊東甲子太郎は近藤勇の妾宅に招かれ、その帰り道、油小路の本光寺門前で暗殺されると言う事件が起こりました。
主犯格は新撰組の諸士調役兼監察の大石鍬次郎らでした。
その遺体は囮として道端に捨てられ、それを引き取りに向かった御陵衛士の服部武雄や藤堂平助ら3名が、新撰組の待ち伏せに遭って討死にしています。
実弟の鈴木三樹三郎は斬り抜け、残った隊士と共に官軍の赤報隊二番隊に入っています。

まとめ

伊東甲子太郎の唱えた尊王攘夷は、徳川家も組み込んだ公家衆中心の新政府であり、畿内五か国をその直轄領とし、富国強兵に努めるというものでした。
国民皆兵として「一和同心」の精神で日本国をひとつにまとめようとしたのです。
なお、神戸港の開港には反対していたとされていますので、まさに尊王攘夷だったのでしょう。
明治維新の立役者にもなれたであろう逸材でしたが、新撰組と係わったばかりに無残な死を遂げています。
さぞかし無念なことだったろうと思います。

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