黒田の家臣と佐世保鎮守府第5特攻戦隊第35突撃隊第121震洋隊


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黒田の家臣

宮城県日向市の細島に「黒田の家臣」と呼ばれる史跡があります。

最初はその名を聞いて、中津城や福岡城に縁ある黒田長政関係なのかな?と思ったのですが、時代は幕末でした。

江戸時代の後期、文久二年(1862年)に、京都伏見の船宿「寺田屋」で薩摩藩主・島津久光が進める公武合体に反発する有馬新七ら尊皇攘夷派を襲撃すると言う「寺田屋事件」が起こります。
寺田屋騒動では、生き残った尊皇攘夷を唱える薩摩藩士は鹿児島へ送還され、他藩の者で引き受け先が無い浪士は薩摩藩預かりとなります。
そのため、浪士も薩摩に海路、送られるということになります。
その時、戦国時代の頃から南蛮貿易や異国船も入港していた天然の良港である細島の港に薩摩船も立ち寄ります。

しかし、島津久光は、この浪士らを処分しても良いと密命を下していたようで、1865年5月4日、細島の「小嶋ノ磯」にて、筑前秋月の黒田藩士・海賀宮門、肥前高原の中村主計、但馬気多郡の千葉郁太郎の三士が惨殺されました。
10箇所近い深い刀傷があったと言います。
その3名の遺体を発見した細島の住民・黒木庄八翁が墓碑を建てて、その霊を供養したのがこの古島(こしま)にある「黒田の家臣」と呼ばれるようになった場所と言うことになります。
遺体が古島に漂着したとする説もあります。

古島は、満潮時には歩いて渡れないです。
幕末勤王家「海賀宮門外二士の墓」として史跡登録されている古島は小さな島で、干潮時のときだけ陸続きとなります。
今回は渡れませんでしたので、案内板を撮影させて頂きました。

ちなみに、この3名が殺害された以前には、田中河内介とその子・田中瑳磨介が、既に垂水沖で同様に殺害されており、小豆島の海岸で遺体となって発見されたと言います。
この浪士殺害の話を知って、西郷隆盛も薩摩に船で護送されたのを思い出しました。
しかし、同船した訳ではなさそうです。

奈良原繁・大山格之助らが派遣されて寺田屋事件があったのは4月23日で、3名の浪士が薩摩に向かう途中、ここで殺害されたのは5月4日です。
島津久光の捕縛命令により、西郷隆盛が鹿児島へ向けて船で護送されたのは4月10日ですので、寺田屋事件の頃には鹿児島に滞在していたものと考えられます。

交通アクセスですが、細島港から岬の先端「馬ヶ背」に行く途中にあります。
看板に従って、左折して坂を下りて行くと、突き当たりにトイレと無料駐車場があり、干潮時には小さな島まで歩いて渡ることができます。
現在でも黒木家の方々が清掃など管理を続けているそうです。

第121震洋隊「細島基地」

第二次世界大戦末期には、特攻121震洋隊細島基地が、この黒田の家臣のすぐ近くにありました。

震洋(しんよう)と言うのは兵器の名前で、小型のベニヤ板製モーターボートの船首に250kg爆弾を搭載してあり、1名か2名で操縦して敵艦に体当りする特攻艇のことを言います。
九州を中心に日本全国147箇所に4000挺が配備されていました。
昼間にそんな船で敵艦に近づこうとしても発見されてしまうため、訓練も夜間に行ったと言います。
震洋の戦死者は2500人以上です。

昭和20年5月、細島では漁協2階に第121震洋隊の本部が置かれたようです。
正式名称は、佐世保鎮守府第5特攻戦隊第35突撃隊第121震洋隊で、新型の震洋5型艇25隻が佐世保から陸路で配備されました。
部隊長は藤岡宏太大尉で将校7名、特攻隊員50名、整備員38名、基地隊78名、本部付15名、総員188名とのことです。

三菱石油や九州造船の軍需工場もあったため、細島港はアメリカ軍の攻撃を受けています。
第121部隊も、漁船に紛れて係留していた震洋艇1隻を空襲で撃沈されるなど被害が出ていました。

このようなことから、特攻ボートは対岸にある第8回天隊の細島基地に一時避難しています。

第8「回天隊」の細島基地は、牧島山麓の海岸・御鉾ケ浦にあり、全長30メートルほどの格納トンネルが6箇所あり、12隻の回天が出撃命令を待っていたと言います。

その後、震洋部隊は、日向・門川の境にある梶木町に梶木基地を築いて転進しています。
ただし、幸いにも出撃の機会はなく、188名の第121部隊は戦死者を出さずに終戦を迎えたそうです。



靖国神社の遊就館に震洋の複製艇が展示されています。

第121震洋隊「細島基地」と黒田の家臣への行き方は、下記の当方オリジナル九州地図をご参照願います。

馬ヶ背~日向岬にある心洗われる絶景・絶壁スポット
クルスの海~願いが叶うクルスの海の十字架を見に行こう
神武天皇が東征に出発した宮崎の美々津
九州の史跡探訪用オリジナル地図(カーナビ代わりにも)

 

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