須永虎之助 (須永伝蔵)の解説~渋沢栄一を陰ながら支えた中の家の作男

須永虎之助 (須永伝蔵)



須永虎之助 (須永伝蔵)とは

須永伝蔵(すなが-でんぞう)は、幕末に農民から武士になった、渋沢栄一の従弟です。
2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」では、俳優の萩原護さんが演じられており、セリフは少なめですが、準レギュラーとして、度々、伝蔵(須永虎之助)が登場致します。
この伝蔵の父は、上野国新田郡成塚村(現群馬県太田市成塚町)の豪農・須永宗次郎で、母は渋沢宗助の5娘となります。
渋沢宗助は、渋沢一族で最も裕福な東の家の当主で、青天を衝けでは、俳優の平泉成さんと申し上げると、わかりやすでしょうか?
7歳の時に父を失ってからは、渋沢宗助の娘が母のため、渋沢家に引き取られたようで、伝蔵は、作男として働きながら、渋沢市郎右衛門(渋沢栄一の父)から、剣術も学びました。
そして、1863年、尾高惇忠・渋沢栄一・渋沢成一郎らの高崎城奪取・横浜外国人居留地焼き討ち計画にも、加わっています。



1864年。渋沢栄一と渋沢成一郎が、京にて一橋家に仕官すると、募兵に応じて上京し、伝蔵も一橋家に入り、大砲方となりました。
その後も、渋沢栄一に従い、追加募兵などの供をしています。

1866年、一橋慶喜が江戸幕府15代将軍になると、1867年には江戸勤めとなっています。
王政復古となった際に、同じ家臣の本多敏三郎・伴貞懿(ばん-さだよし)らと、上京して徳川慶喜を補佐しようとしますが、老中・立花種恭に止められ、須永虎之助(須永於菟之輔)は、集議所(議会)の設立を提言しています。

旧幕府軍が、鳥羽・伏見の戦いに敗れ、江戸城に戻った徳川慶喜が蟄居した際には、立花種恭と、前橋藩主・松平直克に掛け合い、朝廷へ恭順謝罪し、徳川慶喜の役に立とうとしました。
しかし、新政府軍が江戸に迫ると、須永虎之助は、本多敏三郎・伴貞懿らと旧幕府軍を立て直そうとし、渋沢成一郎・天野八郎らと彰義隊を結成しました。
投票によって、頭取には渋沢成一郎、副頭取には天野八郎が選出され、本多敏三郎・伴門五郎・須永虎之助の3名は、幹事になっています。

しかし、天野八郎と意見が合わなかった、渋沢成一郎は、命も狙われたため、彰義隊を離脱して飯能・能仁寺で振武軍を独自に結成し分裂します。
このとき、須永虎之助(須永於菟之輔)は、渋沢成一郎や渋沢平九郎と行動を共にし、のち、水戸にて謹慎中の徳川慶喜に従っていた高橋泥舟の依頼を受けて、水戸藩士を束ねると、奥羽諸藩への合流を試みました。

しかし、須賀川まで赴いたところで、会津戦争の報を受け、仙台まで進むと、榎本武揚艦隊にいた渋沢成一郎らと、塩釜港で1度合流しています。
ただし、須永虎之助(須永於菟之輔)は、蝦夷には渡っておらず、江戸に戻りました。
そして、高橋泥舟を頼ると、徳川慶喜が移っていた、駿府へ、2人で向かっています。

明治4年、須永虎之助 (須永伝蔵)の弟・渋沢市郎が、渋沢栄一の妹・渋沢てい(渋沢貞)と結婚して婿入りし、渋沢・中の家の当主を継いでいます。

ヨーロッパから帰国してから、詰めていた大蔵省を辞職した、渋沢栄一が色々と会社を作ると、出資先の聯成社や紅茶伝習所で、須永虎之助は紅茶生産を学んだほか、千葉県では、羊牧を勉強しました。
そして、明治13年(1880年)渋沢栄一や益田孝の協力にて、箱根・仙石原の払下地に、日本初とにる乳牛牧場「耕牧舎」を開設し、牛乳やバター生産を行いました。



晩年は、芦ノ湖水利を巡って、静岡県側と暴動や裁判にも発展していますが、明治31年(1898年)水利妨害罪にて重禁固一月・罰金2円の有罪判決を受けています。
その後、復帰すると、明治35年(1902年)仙石原村村長に就任しました。
また、渋沢栄一や富田鐵之助の仲介にて、静岡側とも和解しています。
明治37年(1904年)に死去。

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高田哲哉日本の歴史研究家

投稿者プロフィール

(株)TOLEDO、高田哲哉と申します。
20年以上、歴史上の人物を調査している研究家です。
日本全国に出張して史跡も取材させて頂いております。
資格は国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級など。

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